大手での出会い
大手エステサロンに入ったのは、2社ほど地元関西のサロンを経てからでした。
研修は東京へ。何週間か同期と一緒に学びます。地方組は寮へ。関東以外の全部の地方の子たちと一緒に生活していました。
寮生活は楽しくて、毎日皆でご飯作ったり、カラオケ行ったり。それでも何人かは途中で脱落する子もいました。
今、考えれば仕事なんて厳しいものだし、本当にやりたいなら、エステティシャンになりたいなら、研修が厳しくたって我慢するのは当たり前。まず、その本気がないなら「辞めたきゃ辞めなさい」という姿勢がその会社にはあったなって、最初に感じました。
研修は確かにハードだったと思う。短い期間で詰め込むわけだし。最初に先入観とか、迷いとかあれば、納得いかないこともあるんだろうけど。当時のわたしは空っぽで、何もないから何も感じもしなかった。
わたしにとってはその期間は、他の皆はどうなのか分からないけど、
「初めて明るい時間を共有するひととき」だった。
それまでの10歳代は、明るくなかったからな、目的とか希望とかもって一緒に何かをするってことは、わたしにはなかったんです。
研修中に少しずつ、「これが本来の若者ってやつなのかな?」って思いはじめてたけど、まだよくわからなかった。それでもとりあえず毎日やってる感じでした。
関西のサロンでは、比較的わたしと同じような価値観の人も多かった。でも東京に来て、東京だからかもだけど、自分とは全く違うんだなって、思う人が沢山いました。
特にみんな、「あれをしたい」「ああ、なりたい」「あそこに行ってみたい」とか。
普通に考えることじゃない?って思われることかもですが、当時のわたしには将来とか、未来とかって、考えることはなかったんです。
その日、その日をとりあえず適当に生きる。
そんな風に生きてきたし、そんな人としか付き合わなかった。だからわたしにとってはある意味、衝撃的な出会いでした。
その中には、元宝塚の人もいたり。先輩には有名大卒がいたり。なんだろうな、
「なんでわたし、こんな人たちと同じとこにいるんだろう」
そう思ったのは、自分がダメな人間なんだって気がついたから。
初めて自分が恥ずかしいなって思ったんです。
健康こそが美しさの基本です。